
人間、できないことをあきらめさせてくれる隣人が
必要だと思うんです。
いきなり何をいうかというとですね、
会社から帰る途中に地下鉄へ降りる階段があるのですが、
その階段を降りる途中でバイオリン弾いてる青年を
たまーに見るんです。
年齢は大学生くらいで長身で面長で
いかにもプロになれない不幸なアーティストっぽい
風体な彼なのですが、その彼が出す
バイオリンの音色が地下鉄の壁に反響して
ありえないくらい大きくなってこだましてくるのです。
そしてまた不幸そうな通行人は青年の横を
足早に通り過ぎてゆくのみで聴こうとする人はなく、
それを見たオレもたちまち
不幸のオーラに飲み込まれてしまうのです。
もうね、不幸の連打ですよこれは。
不幸ボクシングのワンツーフィニッシュですよ。
この不幸空間に誰かタオルを投げてやれと言いたいのですが
いかんせんそんな気のきいたセコンドはおらず、
ただただ不幸時間が流れてゆくしかないんです。
そこで我が身を鑑みてね、あぁ、人生には
「もうやめていいんだよ」ってポンと肩をたたいてくれる
西田敏行に似た人が必要だなと思えてくるんです。
別に似てなくてもいいですが、とりあえず
できないことをやめたあと2人で
釣りにでも行けばいいんです。
そこで初めて新境地に進める時もあるんです。
会社に疲弊する私は今まさにそんな気分です。
なんか釣り行きたいっすね。
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